スターフォックスの時系列を整理|作品はどうつながっている?

スターフォックスシリーズの時系列を、任天堂公式の資料をもとに整理します。SFC系・64系・ゼロ系の3つに分けると、作品のつながりと「つながらない部分」がはっきり見えてきます。

「スターフォックスって、結局どういう順番なの?」

シリーズを追いかけようとすると、必ずここでつまずきます。2026年6月に Nintendo Switch 2 で 『Star Fox』が発売され、はじめてシリーズに触れた人も多いはずです。

この記事では、スターフォックスの時系列を任天堂公式の資料をもとに整理します。 結論を先に言うと、一本の線にはなりません。3つの系統に分けると、ようやく形が見えてきます。 そして「きれいにつながらない部分」がどこなのかも、隠さず書きます。

結論から先に

  • スターフォックスは SFC系 / 64系 / ゼロ系 の3つに分けると整理できる
  • 『スターフォックス2』は初代の直接の続編(任天堂公式の取扱説明書で確定)
  • 『64』が始まるまでの前史も「5年+5年」で確定した(2026年のゲーム内図鑑)
  • 『64』→『アドベンチャー』は「8年後」(任天堂公式サイトに明記)
  • 『アドベンチャー』→『アサルト』は「1年後」、『アサルト』→『コマンド』は「数年後」 (『スターフォックス64 3D』完全攻略本の年表。※任天堂の一次資料ではありません)
  • ただし、初代と『64』の関係については任天堂が説明していない
  • 『コマンド』でシリーズの終点は確定しない。 開発者が「決めるのは遊んだ人」と明言している
  • Switch 2版『Star Fox』の時系列上の位置づけは、公式に示されていない

2026年8月11日更新。 Switch 2 版のゲーム内図鑑「ホロメモリ」で、 **ジェームズの事件から『64』本編までが「5年」**であることが明記されました。 「『64』が始まるまでの10年」の節を新設しています。

あわせて、『スターフォックス64 3D』完全攻略本(2011年)に掲載されていた 「シリーズ時代年表」の内容を反映しました。 これまで「公式資料を確認できていない」と書いていた 『アドベンチャー』→『アサルト』の間隔『アサルト』→『コマンド』の間隔に、初めて数字が入っています。 「攻略本の年表が埋めた2つの空白」の節を新設しました。


公式設定まずは全体像

任天堂公式サイトの記述をもとに並べると、次のようになります。

作品発売機種系統
スターフォックス1993年2月21日スーパーファミコンSFC系
スターフォックス2未発売(2017年10月5日にSFCミニで公開)スーパーファミコンSFC系
スターフォックス641997年4月27日NINTENDO 6464系
スターフォックス アドベンチャー2002年9月27日ゲームキューブ64系
スターフォックス アサルト2005年2月24日ゲームキューブ64系
スターフォックス コマンド2006年8月3日ニンテンドーDS64系
スターフォックス ゼロ / ガード2016年Wii Uゼロ系
Star Fox2026年6月25日Nintendo Switch 2―(後述)

物語のつながりで並べ直すと、こうなります。

■ SFC系
  スターフォックス(1993)
        └─▶ スターフォックス2 アンドルフが再侵攻してくる直接の続編

■ 64系
  [前史]Dr.アンドルフ、ベノムへ追放
        ↓ 5年後 ベノム偵察任務。ピグマの裏切り。ジェームズ消息不明
        ↓ 5年後
  スターフォックス64(1997)
        ├─ 4年後 公式コミック「さらば愛しのファルコ」 ファルコがチームを離れる
        └─ 8年後 ▶ スターフォックス アドベンチャー(2002)
                        ↓ 1年後(※攻略本の年表)
                   スターフォックス アサルト(2005)
                        ↓ 数年後(※攻略本の年表)
                   スターフォックス コマンド(2006)
                        └ 結末が複数に分かれ、どれが正史かは決まっていない

■ ゼロ系
  スターフォックス ゼロ / ガード(2016)

■ 2026年
  Star Fox(Switch 2) 『スターフォックス64』がベース

以下、根拠を一つずつ見ていきます。


公式設定SFC系:『2』は初代の直接の続編

『スターフォックス2』は開発が完了しながら発売中止になり、2017年に 「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」へ収録される形でようやく世に出た作品です。 任天堂自身も**「幻のシリーズ2作目」**と紹介しています。

この『2』の位置づけは、任天堂公式の取扱説明書ではっきり書かれています。

かつて広大なライラット系を舞台にくり広げられた、ライラット征服をはかる悪の皇帝アンドルフ軍と、 雇われ遊撃隊「スターフォックス」を擁したコーネリア防衛隊との戦闘は、遊撃隊の超人的な活躍もあり、 防衛隊側の勝利で幕を閉じた。

しかし…

アンドルフ皇帝は生きていた。 復しゅうの炎を燃やし、先の戦闘以上に入念な侵略準備を 進めていたのである。そしてついに、皇帝軍は再びライラット系に攻め入ってきた。

——『スターフォックス2』取扱説明書(任天堂)

ここから確定するのは次の点です。

  • 初代の戦いはコーネリア防衛隊側の勝利で終わっている
  • アンドルフは初代で死んでいない
  • 『2』は、そのアンドルフが再び攻めてくる話

つまり 初代 →『2』のつながりだけは、公式資料できれいに確定します。 シリーズの中で、ここが一番迷わない部分です。

ちなみに、アンドルフの設定は初代の時点でかなり細かく決まっています。 1993年の初代の取扱説明書(任天堂公式サイトでPDFが公開されています)には、 アンドルフがコーネリア出身の天才科学者であり、危険な実験を繰り返した結果 コーネリアから追放されたことまで書かれています。

アンドルフ皇帝、かつての天才科学者Dr.アンドルフのことである。

——『スターフォックス』(1993年)取扱説明書(任天堂)

「Dr.アンドルフ」という呼び方も初代からあるもので、『64』で新しく作られた設定ではありません。

では『64』では何が新しくなったのか。ここが次の論点につながります。


公式設定『64』が始まるまでの10年

『64』の物語は、いきなり始まるわけではありません。 アンドルフの追放ジェームズの事件という2つの出来事が前にあります。

このうち「追放から5年後にジェームズたちが調査に向かった」ことは、 2011年の『スターフォックス64 3D』公式サイトに書かれていました。

5年後、惑星ベノムの不穏な動きをキャッチしたペパー将軍は

——『スターフォックス64 3D』公式サイト ストーリー(任天堂)

では、ジェームズの事件から『64』本編までは何年なのか。 ここは長らく明記されていませんでした。

2026年、Switch 2 版のゲーム内図鑑「ホロメモリ」がこれを埋めました。

ピグマ・デンガーの項目です。

5年前、ベノム偵察任務中にスターフォックスを離反し、 現在は傭兵部隊スターウルフにてパイロット兼メカニックを務めている。

——ホロメモリ「ピグマ・デンガー」(Star Fox/Nintendo Switch 2、任天堂)

アンドルフ・ブレインの項目にも、同じ数字が出てきます。

Dr.アンドルフは過去5年間にわたりライラット系への侵略行為を続けてきたが、 これまでコーネリア防衛軍および情報戦略本部はその姿を確認できずにいた。

——ホロメモリ「アンドルフ・ブレイン」(任天堂)

そしてミッション・レポートが、追放側の5年を確認しています。

本事件の5年前、コーネリア防衛軍最高司令官・ペパー将軍の命により、 (…)Dr.アンドルフが惑星ベノムに追放された。

——ホロメモリ「ミッション・レポート」(任天堂)

3つの項目がすべて「5年」で揃っています。 整理するとこうなります。

Dr.アンドルフ、ベノムへ追放
   ↓ 5年後 …… ベノム偵察任務。ピグマの裏切り。ジェームズ消息不明
   ↓          (=アンドルフによる事実上の宣戦布告)
   ↓ 5年後 …… スターフォックス64/Switch 2版『Star Fox』本編

追放から本編まで、合計10年ということになります。

この10年は、フォックスの人生とほぼ重なります。 父を失ってから5年後に、フォックスは同じ相手と戦うことになるわけです。

なお。 この「5年」はSwitch 2 版のゲーム内テキストで確認したものです。 『64』本体や当時の公式資料に同じ記述があるかは確認できていません。 Switch 2 版で新たに定められた数字である可能性もあります。

→ 追放の経緯は「アンドルフはなぜベノムへ追放された?」、 ジェームズの事件は「ジェームズ・マクラウドは本当に死んだ?」で 詳しく扱っています。


公式設定64系:「8年後」は公式に書かれている

『スターフォックス64』から先は、任天堂公式サイトに経過年数が明記されています。

『スターフォックス アドベンチャー』の公式サイトには「スターフォックスヒストリー」という ページがあり、シリーズの流れが紹介されています。そこにこう書かれています。

フォックス・マクラウド率いるやとわれ遊撃隊『スターフォックス』が、 ベノムの暴君・アンドルフを倒してから8年が過ぎた…。

——「スターフォックスヒストリー」(任天堂)

『64』から『アドベンチャー』までは8年。 これは公式です。

さらに同じ公式サイトのストーリーページには、ファルコについて **「4年前フォックスの前から突如姿を消してしまった」**という記述があります。 つまり 『64』から4年後にファルコがチームを離れ、その4年後(『64』から8年後)に 『アドベンチャー』が始まるという流れになります。

この「空白の8年間」については、任天堂が公式サイト上で 「さらば愛しのファルコ」というコミックを公開しています。 『64』と『アドベンチャー』の2作をつなぐ物語として、当時4週にわたって掲載されたものです。

→ 詳しくは「スターフォックス アドベンチャーは64から何年後?」で扱います。

その先、『アドベンチャー』→『アサルト』→『コマンド』と続きます。 開発者の今村孝矢氏は、母艦グレートフォックスについて 「『アサルト』でぶっ壊れたから、『コマンド』では宇宙空母をレンタルしている」と語っており、 この3作が地続きであることは間違いありません。

この『アドベンチャー』以降の間隔については、長く資料が見つかりませんでした。 『アサルト』の任天堂公式サイトは現在も所在を確認できていません。

ただし、攻略本の年表がここを埋めています。 次の節で扱います。


公式設定64系のあいだにある「4年」の話

「スターフォックスヒストリー」には、もうひとつ年数が出てきます。

皇帝アンドルフとの忌まわしき戦いから4年…ライラット系はひとまず平和を取り戻し、 スターフォックスもチームで出撃するような大きな仕事をめっきり減らしていた。 そんななか、チームリーダーであるフォックス・マクラウドはめきめきと実力をつけているようである…

——「スターフォックスヒストリー」(任天堂)

この「4年」を**「初代から64までが4年」と読んでしまうと混乱します。** 実際、そう解釈されていることがあるようです。

これは公式コミック「さらば愛しのファルコ」の導入文です。

任天堂公式サイトに掲載されているこのコミックの冒頭には、ほぼ同じ文が置かれています。

あの忌まわしい戦いから4年…

ライラット系はひとまず平和を取り戻し、我らがスターフォックスもチームで出撃するような 大きな仕事をめっきり減らしていた。そんななか、チームリーダーであるフォックス・マクラウドは めきめきと実力をつけているようである

——公式コミック「スターフォックス ~さらば愛しのファルコ~」(任天堂/2002年)

つまり 「4年」は『64』でアンドルフを倒してから4年後、 つまりコミックの舞台となる時点を指しています。

これは登場人物の年齢でも裏づけられます。

作品/時点フォックスペッピースリッピー
公式コミック(64から4年後)22歳45歳22歳
アドベンチャー(64から8年後)26歳49歳26歳

きっちり4年差です。 公式が示した年数と、キャラクターの年齢が一致しています。

したがって64系の流れは、こうなります。

スターフォックス64
   ↓ 4年後 …… 公式コミック「さらば愛しのファルコ」(ファルコが離脱)
   ↓ 8年後 …… スターフォックス アドベンチャー

→ この間の出来事は 「スターフォックス アドベンチャーは64から何年後?」で 詳しく扱います。


【攻略本の年表】埋まった2つの空白

ここまで、**『アドベンチャー』から先の間隔は「分からない」**としてきました。 その部分に数字を入れている資料があります。

『スターフォックス64 3D』完全攻略本(2011年、ニンテンドードリーム編集部 編著)の P.91〜92 に、**「シリーズ時代年表」**という見開きのページがあります。 「知識編/戦史研究」の中の 「『スターフォックス』シリーズの歴史」 という記事で、 初代の前史から『コマンド』までを、経過年数つきで一本の線に並べたものです。

この資料の位置づけについて、先に断っておきます。 これは攻略本の記事であり、任天堂が直接出した一次資料ではありません。 このサイトでは、攻略本・雑誌は「媒体名を明記したうえで扱うが、 単独では公式設定として断定しない」区分に置いています。 以下は「そう書かれている資料がある」として読んでください。

ただし、この本を作った編集部には注目すべき点があります。

編著はニンテンドードリーム編集部任天堂公式コミック「さらば愛しのファルコ」を任天堂と一緒に作ったのと同じ編集部です。 コミックの扉には「協力:Nintendo DREAM」「漫画:中植茂久(Nintendo DREAM)」とあり、 原作は任天堂、監修は今村孝矢氏でした。

ただし、この攻略本が任天堂監修であるかどうかは、調べても確認できませんでした。 編集部が同じだからといって、年表の内容が公式設定になるわけではありません。 「無関係な第三者がまとめたものではない」という程度に受け止めてください。

その前提で、年表の内容を見ていきます。

年表が示している全体像

区間年表の記述
Dr.アンドルフの永久追放 → ベノム調査依頼(ジェームズの事件)5年後
ジェームズの事件 → 『スターフォックス64』数年後
『64』 → 公式コミック「さらば愛しのファルコ」4年後
コミック(ファルコ離脱) → 『アドベンチャー』4年後
『アドベンチャー』 → 『アサルト』1年後
『アサルト』 → 『コマンド』数年後

上の4つは、これまで任天堂公式サイトで確認できていた数字と完全に一致します。 追放から5年、64から4年でコミック、そこから4年で『アドベンチャー』(=64から8年)。 年表として独自の数字を作っているわけではないことが、ここで確認できます。

そのうえで、下の2つがこれまでどこにも見つからなかった数字です。

①『アサルト』は『アドベンチャー』の「1年後」

年表では、『アドベンチャー』の次の項目が**「1年後」**として置かれています。

スターフォックスにファルコが復帰、クリスタルが参加

■新たなメンバーで再出発!! ダイナソープラネットこと、惑星サウリアの事件を解決したスターフォックス。 その任務で得た報酬で老朽化していたグレートフォックスを修復する。 メンバーにも変化があり、スリッピーがパイロットに復帰、 ファルコも4年ぶりにチームに戻った。 そして、救出したクリスタルが紅一点としてチームに参加し、新たなスターフォックスが誕生し、 やとわれ遊撃隊の日々を過ごすのだった。

——『スターフォックス64 3D』完全攻略本(ニンテンドードリーム編集部 編著)「シリーズ時代年表」

その直後に『アサルト』の項目——オイッコニーの反乱とアパロイドの登場——が続きます。

**「ネットでよく見る『1年後』は、ここが出どころだったのか」という話でもありますが、 それ以上に面白いのは「ファルコも4年ぶりにチームに戻った」**という一文です。

ファルコが離れたのは『64』から4年後。その4年後が『アドベンチャー』。 つまり離脱期間はちょうど4年で、年表の記述と一致します。 公式コミックと公式サイトの数字が、 ここでもきれいにつながります。

②『コマンド』は『アサルト』の「数年後」

『アサルト』でアパロイド・マザーを倒したあとが、**「数年後」**として置かれています。

アパロイド・マザーを撃破してから数年、大きな事件もなくスターフォックスのメンバーは それぞれが新たな生活のためにチームを離脱。フォックスは1人で稼業を続けていた。

——同上

「数年」なので、正確な年数は分かりません。 ただ、 これまで「公式・非公式ともに情報が見当たらない」としていた区間に、 初めて幅が入りました。

なお年表は、この「数年」の間に起きたことも列挙しています。

  • ペッピーが将軍になった —— 病に倒れたペパー将軍の推薦で、コーネリアの将軍に
  • ペッピーの妻ビビアンが逝去した
  • ファルコは昔の仲間と飛びまわっている
  • スリッピーは恋人アマンダとの生活を優先し、チームを一時的に離脱
  • クリスタルはフォックスと恋人になったが、「危険な仕事から離れてほしい」と言われて反発し、 自らチームを離れてスターウルフと連絡をとるように

『コマンド』開始時点でフォックスが1人なのは、この積み重ねの結果だということです。

→ 『コマンド』については 「スターフォックス コマンドのエンディングはどれが正史?」へ。

③ 「数年後」と「5年」は矛盾しない

もうひとつ、この年表には確認しておきたい点があります。

ジェームズの事件から『64』までを、年表は「数年後」と書いています。

2026年のホロメモリが示した数字は**「5年」でした。 「数年」は5年を含みます。 つまり両者は食い違っていません。**

言い換えると、2011年の時点でもこの区間は「空白」ではなく「数年」と把握されていて、 2026年にその数字が5年だと確定した——という関係になります。

ただし断定はしません。 「数年」という表現は幅が広く、 これをもってホロメモリの「5年」が裏づけられたとまでは言えません。 言えるのは「矛盾していない」ということまでです。


描写から推測では初代と『64』の関係はどうなるのか

「4年」が64系の内部の話だと分かると、初代と『64』の関係は公式に示されていないことになります。

分かっているのは次の2点だけです。

  • 『2』は初代の直接の続編である(取扱説明書で確定)
  • 『64』は初代と同じ設定を使っている(アンドルフの追放、コーネリア、ベノム、同じメンバー)

しかし、『64』が初代の作り直しなのか、それとも時間的に後の話なのかは、 任天堂が説明していません。

ヒントになるのは、任天堂公式の「社長が訊く」で語られている事実です。 未発売に終わった『2』のアイデアが『64』に活かされたことが説明されています。 つまり『64』は初代の単純な作り直しではなく、『2』で試した要素も取り込んで作られています。

そしてもうひとつ。初代の説明書にジェームズ・マクラウドは登場しません。 『64』で最も大きく加わったのは、この人物の物語です。

→ この論点は「スターフォックス64と初代SFC版は何が違う?」で 詳しく扱います。


公式設定終点が決まらない理由

もう一つ、スターフォックスの時系列が「きれいに終わらない」理由があります。

シリーズの最後にあたる『スターフォックス コマンド』(2006年)は マルチエンディングを採用しており、選択によって結末が分かれます。

そして、どれが正史なのかを開発側が決めていません。

キャラクターの生みの親である今村孝矢氏は、どのエンディングが正史かを問われて こう答えています。

それは遊んだ人に決めてもらえたらと思っています

——今村孝矢(ニンテンドードリーム2011年9月号/Nintendo DREAM WEB再掲)

つまり 「決まっていない」のではなく、「決めない」という判断がされているということです。

同じインタビューで、今村氏はシリーズの作り方についても語っています。

『コマンド』で物語時間軸としてのフォックス編は終わらせたい。 今後、続編を作るとしても『64』と『アドベンチャー』の間の話をするとか、 『64』の前の話をするかもしれない

——今村孝矢(同上)

これは時系列を理解するうえでとても重要な発言です。 スターフォックスの時系列が分かりにくいのは、整理されていないからではありません。 フォックスの物語を『コマンド』でいったん閉じたうえで、 以後は前後の隙間を埋めていくという作り方に移った結果なのです。

そして興味深いことに、この2011年の発言は現実になりました。 2026年の Switch 2 版『Star Fox』は、まさに**「『64』の前の話」= フォックスの父ジェームズ・マクラウドの戦い**をプロローグとして描いています。

→ 詳しくは「スターフォックス コマンドのエンディングはどれが正史?」へ。


Switch 2版『Star Fox』はどこに入るのか

2026年6月25日、Nintendo Switch 2 で『Star Fox』が発売されました。 2016年の『ゼロ』『ガード』以来、約10年ぶりのシリーズ新作です。

内容は**『スターフォックス64』がベース**です。ステージ構成はそのままに、 キャラクターデザインとグラフィックを一新し、新規ムービーなどが追加されています。 『64』の惑星アクアスで一度きり登場した潜水艦ブルーマリンも復活しました。

ここで一点、はっきりさせておきたいことがあります。

多くのメディアはこの作品を「リメイク」「フルリメイク」と報じていますが、 任天堂自身は「リメイク」という言葉を使っていません。 公式サイトにも公式映像にも、その表現は出てきません。 任天堂の説明は一貫して「64をベースに、キャラクターを再デザインし、 ステージはそのままに、グラフィックをパワーアップした」という言い方です。

そして、この作品が時系列上どこに入るのかも、公式には示されていません。 タイトルが『スターフォックス64』ではなく『Star Fox』であることも含め、 位置づけは読み手に委ねられた状態です。

→ 詳しくは「Switch 2『Star Fox』は64のリメイク?」で検証します。

なお、このプロローグではピグマの裏切りによってジェームズの機体が被弾し、 墜落する場面が描かれます。ジェームズの生死は、シリーズ最大の謎のひとつです。

→ 「ジェームズ・マクラウドは本当に死んだ?」で詳しく扱います。


ゼロ系について

『スターフォックス ゼロ』(2016年、Wii U)も『スターフォックス64』をもとにした作品です。

ただし、この作品が他の系統とどういう関係にあるのかについて、 任天堂が明言した資料を筆者は確認できていません。 公式の開発者インタビュー3回を確認しましたが、時系列上の位置づけへの言及はありませんでした。

「世界観をリセットしたパラレルワールド」という説明をネット上でよく見かけますが、 これを裏づける一次資料は見つかっていません。

確認できたのは、宮本茂氏がストーリーについて 「勧善懲悪の話にすると、単純すぎて想像の余地がなくなる」と語り、 イヌとサルの対立の背景に「転送装置」という要素を追加したと説明していることです。 少なくとも、『64』のストーリーに手が入っていることは分かります。

→ 「スターフォックス ゼロは64のリメイク?」で詳しく扱います。


まだ分かっていないこと

この記事を書くにあたって調べた範囲で、確認できなかったことを正直に書いておきます。

  • **『アサルト』が『アドベンチャー』の「1年後」**であることは攻略本の年表で確認できましたが、 任天堂が直接出した資料では確認できていません
  • **『アサルト』→『コマンド』**も同様で、攻略本の「数年後」以上の情報はありません
  • 『スターフォックス64 3D』完全攻略本が任天堂監修であるかどうかは、調べても確認できませんでした。 そのため、この年表の記述は公式設定として扱っていません。 奥付・扉の表記をご存じの方がいれば教えてください
  • 『ゼロ』の時系列上の位置づけについて、任天堂の明言を確認できていません
  • Switch 2版『Star Fox』の位置づけも公式には示されていません
  • 『コマンド』のエンディングが9種類であることの一次資料は未確認です(複数の資料が一致)
  • ジェームズの事件から本編まで5年」は Switch 2 版のゲーム内テキストで確認したものです。 『64』本体や当時の公式資料に同じ記述があるかは確認できていません
  • ホロメモリの引用はゲーム内テキストの書き起こしにもとづきます。原文表記の照合は未了です

これらについて、公式資料をご存じの方がいればぜひ教えてください。 確認でき次第、この記事を更新します。


まとめ

スターフォックスの時系列は、SFC系・64系・ゼロ系の3つに分けると整理できます。

確実なのは、『2』が初代の直接の続編であることと、 『64』から『アドベンチャー』までが8年であること。この2つは任天堂公式の資料で確定します。

そして2026年、ここに**『64』が始まるまでの10年**が加わりました。 アンドルフの追放から5年後にジェームズが消息を絶ち、 そのさらに5年後に『64』の物語が始まります。 シリーズで最も長かった空白が、ゲーム内の図鑑で埋まった形です。

そして『アドベンチャー』から先も、攻略本の年表が 「『アサルト』は1年後」「『コマンド』はさらに数年後」と埋めています。 ただしこちらは任天堂の一次資料ではないので、扱いは一段落とす必要があります。

一方で、初代と『64』の関係については任天堂が説明していません。 同じ設定を使いながら、作り直しなのか続きなのかが示されていない。 ここがシリーズの時系列が分かりにくい最大の理由です。

そして『コマンド』は、どの結末が正史かを意図的に決めていません。 時系列が一本にならないのは、整理不足ではなく作り手の選択でもあるのです。


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参考資料


最終更新: 2026-08-11